最近、体が疲れやすくなった….と感じる瞬間はありませんか?
疲労感にはさまざまな要因がありますが、もしかすると、”DMN”の状態が長く続いているからかもしれません。
DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)とは、脳が無意識に活発になる脳機能のネットワークのこと。
ぼーっとしたり、リラックスしていると活発になりますが、長く続くと脳のエネルギーを大量に消費することもあります。
今回はDMNの役割とデメリット、オンオフの切り替えのコツを紹介していきます。
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DMNの役割
このDMNの状態は、何も生まず雑念ばかりが思い浮かぶため、ネガティブな状態であるとされてきました。
しかし、近年の脳科学の研究で、れっきとした脳の役割があることが判明します。役割は大きく分けて二つあり、どちらも私たちが生きる上で欠かせないものです。
危機への備え
人間が完全に集中した状態になると、急に襲ってくる危険から身を守れなくなります。
それに引き換えDMNは、車に例えるとアイドリングしている状態のため、いざという時にすぐに対応できる状態です。
情報の整理
人間の脳は、情報の定着に至るまでさまざまな過程があります。
まず、五感を通して得た情報を脳に入力します。そのあと情報の整理をし、言動によってアウトプットしています。
DMNの状態は、この整理の過程をスムーズに処理できると言われています。
この整理がうまくいかないと、脳の中に情報が散らかってしまい、脳疲労につながってしまいます。
また、整理と一緒に情報同士の結びつきも活発になるため、新しいアイデアが浮かびやすくなります。
よく、ぼーっとしている時にいいアイデアがひらめいた!という経験はありませんか?
このDMNの状態は、創造性と密接に関わっており、いいアイデアが浮かびやすい状態となっています。
DMNが活発時のデメリット
DMNは、情報の整理を行う大切な役割があり、創造性とも密接な関係があるためメリットも大きくあります。しかし、活発になりすぎるとデメリットもあるため注意が必要です。
注意散漫になる
DMNの状態でいると、さまざまな考えが浮かびます。
そのため一つのことに集中できる状態ではありません。いろいろなことに思いをめぐらせ、注意力が散漫してしまいます。
脳のエネルギーを必要以上に消費する
DMNの状態は、脳のエネルギーが大量に消費され、その割合は1日に使う総エネルギーの内60%〜80%にもなります。
そのため、あまり使いすぎると脳疲労につながる恐れがあります。
ネガティブな発想も生まれやすい
このDMNは、さまざまな雑念や思考が取り止めもなく浮かぶため、過剰に働くと、不安や後悔などマイナスな思考に傾くともいわれています。
よく、考えすぎて心配ごとが気になってしまうという方は、DMNが活発に働きすぎているのかもしれません。
脳疲労を防ぐには、DMNのオンオフの切り替えが大事
DMNの状態はメリットとデメリットがあるため、特性を知って上手に活用したいところです。
切り替えがスムーズにできれば、集中したい時にオフにしたり、いいアイデアを考えたい時にはオンにするなど、DMNのいいとこ取りが叶います。
切り替えをスムーズにするためは、活発化させる方法と、抑制する方法を知っておくとよいでしょう。
DMNを ”活性化” させる方法
DMNを活性化させるには、集中力をオフにして過ごすことが大切です。
日中であれば、あまり頭を使わなくていいような、慣れ親しんだ作業をすることで、DMNが活性化します。
例えば、外に出て近所や公園を散歩してもいいですし、おうちの中で皿洗いや掃除など、いつもやっている家事をなにも考えずひたすら取り組むでも良いでしょう。
仕事中においても、頭を使わない単純作業があれば、まとめて処理する時間を作ることでDMN活性化につながるかもしれません。
日々のタスクを見返して、DMNに使える作業はないかピックアップしてみることもおすすめです。
何か作業しなくても、ソファにかけてぼーっとする、お風呂に浸かってリラックスする方法でもOK。とにかく、「なるべく頭をつかわない時間」を作ることが大切です。
また、積極的に考えを巡らす時間を設けることもおすすめです。
DMNはさまざまな考えが思い浮かぶ状態です。そのため、生産性やゴールなどを決めず、ひたすら妄想することでDMNが「オン」の状態になります。
DMNを “抑制” させる方法
DMNを抑制させるには、物事に集中する時間を設けることが大切です。
一番手軽な方法としては、「マインドフルネス瞑想」があります。
マインドフルネス瞑想は、あらゆる雑念を意図的にシャットアウトし、自分の呼吸や身体の動きに意識を向けます。
意識が一点集中することで、DMNの働きが抑制されていきます。
もし、仕事や勉強に集中したいけど、集中力が散漫しているな….と感じたら、ぜひ実践してみてください。
まとめ
DMNは、ぼーっとしている時に活性化される状態をいいます。このとき、脳の中では情報の整理や取捨選択しているため、生きる上では欠かせない機能の一つです。
しかし、脳のエネルギーを大量に消費するため、DMNの状態が続くと脳疲労につながる恐れがあります。
そのため、脳をスッキリさせたい時に「オン」にし、集中したい時に「オフ」にできるよう、切り替えていくことが大切です。
最近疲れを感じるな….という方は、この「DMN」の状態を意識してみてください。