文章を書く上で重要な工程に「推敲」があります。推敲とは、一度仕上がった文をもう一度練り直し、より良い文章に仕上げ直していく工程をいいます。
とても重要な作業ですが、なんとなくやっていている方や苦手だという方は多いのではないでしょうか?
今回は、「新しい文章力の教室」の中から文章力が格段にアップする推敲テクニックを一部紹介。身につければ質もスピードも劇的にアップする内容です!
新しい文章力の教室とは?
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著者は、月3000本以上の記事を配信するニュースサイト「ナタリー」の編集者。本著作はナタリーでの研修にて実際に用いる文章作成メソッドを、一般向けに解説した書籍です。
Webに特化した内容ではないですが、文章を書く人は必読といっていいほど、基礎的かつ実用的な内容が書かれています。
基礎力をあげたいWebライターは、一読して損はない内容です。
残り3割を徹底的に磨く!文章力劇的UPの推敲テクニック
本書によると、「事実とロジックさえしっかりしていればそれだけで70点。残りの3割を言葉遣いで磨いていく」と記されています。推敲の時間をかけることで、いい文章の基準とも言える「完読」を目指すことができます。
しかし、この3割を磨くのが、なかなかの作業量。
本書でも「完成度はロングテール」と紹介しており、このわずかなレベルアップのためにかなりの時間がかかるとしています。
最初は時間がかかりますが、本書が紹介している推敲テクニックを何回も繰り返してみましょう。そうすることで、本文作りから推敲ができるようになり、推敲作業時間もだんだん短くなってきます。
3つのポイントで直す「意味」「字面」「語呂」
人は文章を読む時、ただ内容を読んでいくだけでなく見た目とリズムを一緒に感じながら読んでいます。
なので、「意味」を直すのはもちろん、「字面」(見た目)と「語呂」(リズム)も直していきます。
STEP①:「意味」
まずは「意味」。
誤字脱字を黙読しながら確認し、次に主眼と骨子がしっかりかみ合っているか、表現や文法が正しく使われているかを見ていきます。
STEP②:「字面」
次に「字面」。
パッと見たときの見た目を直していきます。
同じ文字の連続や別の単語に誤認されないか、段落は長すぎないか、漢字が多すぎないかを確認していきます。
STEP③:「語呂」
最後に「語呂」のチェック。
多くの人は文章を読んでいるとき、自然と音声に変換して読んでいます。声に出して読んでみて、おかしいところがないかチェックしていきます。
重複のチェック
次に、重複がないかを見ていきます。
単語やフレーズのダブりがないかを、単語単位から始めて記事全体までチェックしていきましょう。
意味の重複はもちろん、文末の重複(〜です、〜ます)、「の」の連続といった細かい重複もチェックします。
重複をチェックしていくと、文法の誤りや言葉選びの甘さ、リズムの悪さや構造の問題点など、芋づる式にエラーが発覚してきます。より良い文章にするために重要なチェック項目と言えるでしょう。
構造のチェック
次に構造のチェックです。
主語と述語は正しく関連しているか、または離れすぎていないか、文が長すぎてわかりづらくなっていないかをチェックしていきます。
本書では、「一文を構造に還元して読む」ことの重要性を解いています。
あらゆる修飾語を取り除き、文章の核となる主語と述語と目的語の意味をしっかり確認しながら読んでいきましょう。
文章を思いのままに書いていると、主語と述語の意味のずれが多少なりとも出てきます。
特に日本語は主語を省略しても意味が通じるため、文の主語はどれなのかをしっかり意識することが大切です。
係受けの関係性をチェックする
主語と述語、修飾語と被修飾語のように、意味が係る言葉と受ける言葉の関係性を「係受けの関係」といいます。
この対応関係がしっかり機能しているか、どの言葉がどれにかかっているのかをしっかりチェックしていきましょう。
読点の位置をチェックする
次は、読点が正しく打たれているかのチェックです。
読点は、意味の切れ目を表す記号であり、正しく打つことで関連が高い言葉がまとまります。
読点がないと、どこで息継ぎなのかわからなくなってしまい、読む人の負担になります。できるだけ一文に一つは入れるようにしましょう。
文章をダイエットする
文章の点検が終わったら、次に、余分な部分を削ぎ落とす作業に入ります。
文の書き始めの人はたいてい冗長に書く傾向があります。少しぶっきらぼうぐらいがいい匙加減です。
本書では、削る部分を以下のポイントでみていきます。
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接続詞
接続詞があれば文の流れがわかりやすくなりますが、内容がスムーズに連結されていれば削ってもおかしくない場合が多いです。
接続詞を見つけたら、まずは削れるか検討してみましょう。
もし接続詞がないと意味が通じないようであれば、そもそも文の流れがおかしいので全体の見直しが必要です。
検討してもなお、必要だと感じた場合のみ入れるようにしましょう。
重複
重複は言い換える対処もありますが、思い切って削るのも一つの手です。
なくても通じる場合はバッサリと削除しましょう。
「という」
文を柔らかくする印象を与えますが、多くの場合はなくても通じる言葉です。文の冗長にもつながりますので、見つけたら削る意識を持ちましょう。
代名詞
固有名詞を用いた後の代名詞が連続する場合は、重複と同じで削っても意味が通じる場合が多いので削っていきます。
修飾語
意味を強調したい時に修飾語を多用してしまいがちですが、あまりに多すぎると冗長につながります。意味のダブりにもなるので、修飾語があったら使いすぎていないかをチェックしましょう。
まとめ|推敲テクニックを身につけて文章のクオリティをあげよう!
今回は、「新しい文章力の教室」の中から推敲テクニックを一部抜粋して解説しました。
このほかにも、本書には文章力が上がる推敲ポイントが数多く掲載。WEBライターを続ける上で何度でも読み返したい内容になってますので、気になる方はぜひ手に取ってみてください。
今回の参考文献はこちら!
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