ビジネスマン
・周りはサクサク仕事を進めているのに、自分だけ仕事が遅く感じる…
・上司から仕事が遅いと言われてしまったが、どうすればいいかわからない…
・企画の良い案が思い浮かばなくて困っている…
仕事を進める上で「仕事のスピード」について悩む方は多いのではないでしょうか?
仕事が遅いと「仕事ができない」とみなされ、キャリア形成にも大きく影響してしまうこともあります。
そんな方にぜひ実践して欲しい考え方が「仮説思考」です。
仮説思考が身につくことで問題解決まで最短ルートで導き出せるので、仕事が遅いと悩んでいる人こそ身につけるべき思考法です。
この記事では、問題解決に仮説思考が役立つ理由や仮説の立て方、高め方を紹介していきます。
仕事で悩んでいる人は、ぜひ今回の思考法を参考にしてみてください。
参考文献
仮説思考とは?
仮説思考(Hypothetical Thinking)は、問題解決に取り掛かる際、最初のリサーチをするのではなく、まず仮説や仮定を立てる考え方を言います。
最初に念入りなリサーチをせず、まずは自分の頭の中だけで仮説を立て、その仮説があっているのか検証して問題解決を目指します。
仮説思考を仕事で用いるメリット
最短で問題解決ができる
最初にリサーチの時間を設けないことで、わずかな時間で問題設定→解決に導くことができます。
ある10年以上戦略コンサルタントの、大手マッキンゼーに勤めた人の話を例に挙げてみましょう。
その人は、半日のフライトの中で大企業へコンサルタントの提案を考えなければなりませんでした。こういった事案は特殊ではなく、よくあることだそうです。
私たちのイメージでは、膨大なデータを集め、緻密に分析し、洗練された提案を作り上げるのかと思いますよね。
しかし、優秀なコンサルタントはその逆の手法を取ります。
まず手元の資料をざっと目を通し、追加で調べることはなく最初の数時間で結論まで作りあげ、その結論を裏付ける調査を行った後、結論を資料にまとめるそうです。
仕事ができない人や新人は、各論に時間を費やしてしまい、一番大事な本論に十分な時間をかけられなくなります。
最初に結論を出し、その結論に向かって進むことで、細かな部分は後回しにし、本質的な部分に効果的に時間を投資できるのです。これは、最初に仮説を立て、本当に重要な本論はどこかをすぐに把握できるからこそ実現できるアプローチです。
やり直しの時間が減る
仕事が遅くなる理由の一つに、仕事のやり直しが挙げられます。
仮説を立てずに当てずっぽうで仕事をすればやり直しになるのは当然といえるでしょう。
仮説思考を用いることで、問題から解決までの論理を共に構築していくので、論理の組み直しの頻度が減ります。もし仮説が間違っていたとしても、その誤りに気付いた時点で迅速に修正すれば良いので、修正に費やす時間が削減されます。
仮説の立て方
STEP:① 簡単な状況把握
まったく何もない状態で仮説を立てるのは危険です。それこそ当てずっぽうな問題提起になりかねません。
自分が現在持っている情報だけで、問題のニーズやボトルネックについて状況を把握します。
STEP:② 仮説の設定
STEP:①で把握した情報を元に、問題の仮説を立てていきます。
仮説を立てる際は、問題に対して「だから何?」「なぜそうなのか?」を問いかけ、問題の仮説と一緒に解決策の仮説と、問題解決に至るまでの全体のストーリーを組み立てていきます。
STEP:③ 仮説に対する調査・分析
STEP:②で立てた仮説を立証するために、いよいよ調査分析をしていきます。
情報収集をしたり、実際に調査をして数字をとってきても良いでしょう。
始めに仮説設定をしているので、その仮説を立証するだけの情報が集まればいいですから、余計な情報を集める必要がありません。
そのため、主張したいもっとも大事な部分にリサーチの時間を多くかけることができます。
STEP:④ 仮説の修正
仮説が間違っているとわかった時点で再度仮説設定、検証を実行していきます。
立てた仮説が間違っていることはよくあります。調べていくうちに辻褄が合わないことに気づくので、そうなったらすぐに引き返して新しい仮説をたて、検証していきます。
宝探しの地図のように、ダメだったところにばつ印をつけて、宝のありかを探していくイメージに近いでしょう。
仮説を立てるときに役立つ考え方
反対の視点・真逆の視点・ゼロベース視点
仮説設定に行き詰まった場合は、視点を大きく変えることが有効です。
まずは立場を反対にする視点。お客さんの立場に立って考える思考法は有名ですが、逆の立場から物事をみることで解決法が見えてくることがあります。
次に真逆の視点。いままで女性向けとして販売してみたけど、思い切って男性向けにイメージを一新してみたら成功した、などの例が挙げられます。
最後にゼロベース視点。いままでやってきたことを全部無かったことにして考えてみたらどうだろう?と考える視点です。例えば費用の問題があるとき、「もしお金を際限なく使えるとしたら?」を考えてみると、案外突破口が見えてくることがあります。
”ベタ”な解決策を考えてみる
仮説を設定するといくらいわれても、そもそもいい仮説が立てられない…という人もいるのではないでしょうか?
そのような方は、まずは誰もが思い浮かぶような”ベタな問題設定・解決方法”を考えてみましょう。
例えば先ほど挙げたラーメン屋の例でも「ラーメンの味」や「競合他社の影響」は比較的思い浮かぶ問題点なのではないでしょうか。
まずベタな問題点をいくつかピックアップし、一番的確そうな問題点はどれかを見定め、「仮説」としてみます。
間違っていれば、「修正→仮説設定→検証」をまたやればいいのです。
意外とベタな解決策は見落とされがちで、突破口になってくれるかもしれません。
仮説思考の高め方
問題→仮説→解決の引き出しをストックしておく
仮説を立てるところから始めるといっても、そもそも知識が不足していてはよいアイデアは浮かんできません。
仮説を立てるには、現在起きている『状況』と、自分自身が持っている『知識』を掛け合わせて導き出します。
そのため、知識を豊富に持ち合わせていることで、あらゆる視点から問題を考察することができ、その中から最も相応しい仮説を選定することができます。
日頃からあらゆることに興味をもち、知識をストックしておきましょう。
また、問題選定から解決までのストーリーの引き出しをストックしておくことも大切です。
日頃から仮説検証を意識し、パターンをいくつも経験しておきましょう。
あらゆる物事に対して深掘りして考えてみる
問題・解決方法の仮説を立てる際に重要になるのが、物事の深掘りです。
いかに本質的な仮説を立てられるかは、いかにうまく深掘りができているかにかかってきます。
そのため、日頃からあらゆる物事に対して疑問をもち、So What?(だから何?)とWhy So?(なぜそうなのか)を問いかけてみましょう。
そして自分なりに仮説を立ててみて、実際に情報収集したりリサーチし、仮説が合っているかを検証します。
おすすめは、現在流行っているコンテンツを題材にしてみることです。
なぜこのコンテンツが流行しているのか?を深掘りしていくことで、自分が興味のなかった分野の知識も増やせる上、マーケティングにも役立っていきます。
まとめ
「仮説思考」は仕事が遅いと感じている人ほど、身につけて欲しい思考法です。
仮説思考とは、問題解決に取り掛かる際、リサーチに取り掛かる前にまず仮説を立てる思考法を言います。この考え方を用いることで余計なリサーチをしなくてすみ、最短で問題解決まで導くことができます。
仮説の立て方は、まずは手元にある情報のみで状況を把握し、仮説を立てます。ここで、「問題の仮説」と「解決の仮説」を立てていきましょう。
その次に、立てた仮説が正しいものか立証するためのリサーチをしていきます。辻褄が合わないと感じたタイミングで、すぐに仮説の練り直しをしましょう。
仮説を立てる際は、真逆の立場になったり、反対側に降ってみたり、一旦ゼロベースで物事を考えるなどあらゆる視点からアプローチしてくことが大切です。そもそも仮説が浮かばないという人は、誰もが思いつく”ベタな方法”を思い浮かべてみましょう。
実践でよりよい仮説をアウトプットするために、日頃からあらゆることに興味をもち、So What?(だから何?)とWhy So?(なぜそうなのか)を深掘りする習慣を身につけておきましょう。
ぜひ仮説思考を身につけて、同僚と差がつく優秀なビジネスマンを目指してください!