転職やキャリアアップに役立つ『論語と算盤』の名言 9選!

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ビジネスマン
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  • 論語と算盤を読んでみたいけど、難しそうでとっつきにくい
  • 論語と算盤の中でも、自分に役立つ名言を知りたい
  • 転職やキャリアアップに役立つ考え方があれば知りたい

『論語と算盤』は数々の著名人が人生の書としてあげていることでも有名です。

この本を書いた人物である渋沢栄一は、2021年の大河ドラマ「青天を衝け」の主人公でもあり、2024年から発行される新1万円札の顔でもあります。

自己啓発の情報に触れている人なら一度は耳にしたことがある『論語と算盤』ですが、どこかとっつきにくく、まだ読んでいないと言う方も多いのではないでしょうか?

今回は、『論語と算盤』の中からキャリア形成や仕事で役立つ言葉を厳選して9つ紹介。まだ読んだことがない方への入門編としてまとめました。

自分の役立つ考えを参考にしたい方や、『論語と算盤』の簡単な概要を知りたい方は、ぜひ今回の記事を一読してみてください。

この記事で解決できること
  • 『論語と算盤』の概要がわかる
  • 自分にあった『論語と算盤』の名言がわかる

『論語と算盤』とは?

『論語と算盤』は、渋沢栄一が自身の経験と孔子の『論語』を基に、経済活動における倫理の重要性を説く著作です。

渋沢は、孔子の『論語』に基づく道徳的価値観と、商業や経済活動を象徴する「算盤」(そろばん)どちらも重視し、長期的に続くようなビジネスモデルの構築を説いています。

この書は、現代においても企業の社会的責任や倫理経営の指針として広く認識されています。

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『論語と算盤』名言9選

それでは、『論語と算盤』に出てくる名言を紹介します。仕事や私生活で悩んだ時に、ぜひ見返してみてください。

『論語』とソロバンは、はなはだ遠くて近いもの(第1章 処世と信条)

引用: 渋沢栄一. 現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書) (p.11). 筑摩書房.

著作のタイトルであり、渋沢栄一の代表的な思想の一つです。道徳や倫理(論語)と経済活動(ソロバン)が一見遠い存在に見えるものの、実際には密接に関連していることをあらわしています。

渋沢栄一は『論語』の道徳や倫理を重んじる孔子の教えを重視しており、人としての生き方や社会のあり方を参考にしていました。

ソロバン(算盤)は、ここでいう経済活動やビジネスの象徴として使われています。商業や会計の基本的な道具であり、利益追求や経済効率の象徴です。

渋沢栄一は、道徳的な原則に基づいて経済活動を行うことが重要であり、逆に経済活動を通じて道徳的な原則を実践できることを説いていました。

もし仕事をする上で、「道徳を大切にするべきか、利益を大切にするべきか」を迷った時は、ぜひこの言葉を思い出し、道徳と利益どちらも大切にするにはどうしたら良いか?を考えてみてください。

自ら箸をとれ(第2章 立志と学問)

引用: 渋沢栄一. 現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書) (p.38). 筑摩書房.

この言葉は、誰かに頼るのではなく、自分自身で行動し、責任を持つことの重要性を示しています。

他人に依存せずに自分の力で物事を解決することが、長期的には自己成長につながると説いていたのです。

そして、ただ考えるだけでなく”実際に行動すること”の大切さを示した言葉でもあります。ただ頭の中だけで考えていても仕方がない、箸を取るという行動の比喩を用いることで、行動の具体性や実践の必要性を強調していました。

もし、行動するのが怖い、責任を取りたくないとネガティブな思考に襲われた時はこの言葉を思い出し、今の困難を乗り越えた先に自己成長があることを考えてみてください。

順境も逆境も、自分が作り出しただけにすぎない(第10章 成敗と運命)

引用: 渋沢栄一. 現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書) (p.38). 筑摩書房.

この言葉は、自分の心や態度、行動によって自分の人生形成が変わってくるという考え方を示しています。

​​同じ出来事でも、それを順境と捉えるか逆境と捉えるかは、その人の心の持ちようによって異なってきます。

他人や環境のせいにするのではなく自分自身の責任として捉えることで、自分の人生のコントロール感を高め、主体的に人生を切り開く姿勢を持つことができるでしょう。

もし、最近ついていないな…と感じる瞬間があれば、それは捉え方の問題かもしれません。自分自身で現在の状況を再解釈し、「どんな状況も自分次第」と捉えて、モチベーションを高めてみてください。

成功と失敗は、自分の身体に残ったカス(第10章 成敗と運命)

引用:渋沢栄一. 現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書) (p.166). 筑摩書房.

成功や失敗の経験が一過性のものであり、それ自体に執着してはいけないことを示しています。

この言葉は、よく禅や仏教の思想の一つである「マインドフルネス」に近いものがあると解釈されています。「マインドフルネス」とは、執着を手放し、現在の瞬間に集中する考え方です。

成功や失敗に振り回されるのではなく、その経験から得られる教訓や成長に焦点を当て、「今」に活かすべきだというメッセージが含まれています。

成功も失敗も、考えや思いを大きく揺さぶられる出来事です。しかし、揺さぶられすぎず、次に生かすにはどうしたらよいか?を常に考えるようにしましょう。

本当の経済活動は、社会のためになる道徳に基づかないと、決して長く続くものではないと考えている。(第4章 仁義と富貴)

引用:渋沢栄一. 現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書) (p.66). 筑摩書房.

「論語と算盤」の考え方に近い言葉で、単に利益を追求するだけではなく、社会全体にとって有益でなければならないという考え方です。

渋沢栄一は、道徳的な行動と経済的な成功は両立できると考え、実際にその理念に基づいて事業を展開しました。

企業が倫理的に行動することで、消費者や社会からの信頼を得ることができ、結果として長期的な成功へと繋がっていきます。逆に、利益ばかり追求し、道徳に反する行動をとってしまえば、社会的な信頼を失い企業の存続は危うくなるでしょう。

昨今、コンプライアンスの問題で大企業の信頼を揺るがす事件が多くありました。これから先、経済活動をする上で、社会的責任を果たすことは、ますます重要な指針となってきます。

もちろん、個人単位でも仕事に対して社会的責任を果たせるか、を考えて仕事を進めることはとても重要です。仕事を振り返り、利益ばかりを追求していないか?を今一度考えてみてください。

人はその務めを果たすうえで、いつもこの「趣味」を持って欲しいと思う。さらに一歩進んで、人として生まれたからには、人としての「趣味」を持って欲しいとも思うのだ。(第5章 理想と迷信)

引用:渋沢栄一. 現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書) (p.81). 筑摩書房.

ここで言う「趣味」は、単なる娯楽としての趣味ではなく、自分の仕事や役割を果たす際に持つ美意識やこだわり、楽しみを指しています。

仕事や義務を単にこなすのではなく、そこに自分なりの工夫や楽しみを見出すことで、仕事の質を高めるだけでなく、個人の幸福感にもつながります。

”趣味”という考えをもつことで、業務に対するモチベーションを高め、創造的なアプローチに繋がってくるでしょう。

もし、仕事に対してのモチベーションを感じられない時はこの言葉を思い出し、自分がどうしたら”趣味”を持って仕事ができるか?を考えてみてください。

細心にして大胆であれ(第10章 成敗と運命)

引用:渋沢栄一. 現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書) (p.164). 筑摩書房.

この言葉は、慎重さと大胆さという一見対立する二つの特質を併せ持つことの重要性を解いています。

物事を細かく注意深く観察する「慎重さ」、あらゆる選択肢を断ち最終的に判断を下す「決断力」この2つのどちらも無くてはならない要素だとしています。

石橋を叩きすぎて割ってしまうほど慎重すぎるとチャンスを逃し、何も考えずに大胆すぎると失敗するリスクが高まります。

成功するためには、この二つの特質を状況に応じて使い分けることが大切です。

この言葉は、新しい挑戦や、大きな決断をする際に役立ちます。リスクを細部まで考慮しながらも、最終的には決断を下す勇気が必要です。

人間はいかに人格が円満でも、どこかに角がなければならない。古い歌にもあるように、あまり円いとかえって転びやすくなるのだ(第2章 立志と学問 )

引用:渋沢栄一. 現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書) (p.45). 筑摩書房.

この言葉は、人との関係で全く争いがないことへのリスクを指摘し、自身の個性や軸を持つことの重要性を強調しています。

この考え方は、多くの文化や哲学で見られるものとしても知られています。誰にとっても「円満な」性格は一見理想的に思えるかもしれませんが、実際にはそれが弱点になることもあります。自分の意見を表せなくなったり、他人の意見に流されたことによって不利益を被ることもあるでしょう。

自分の意見や信念をしっかりと表現することで、自分の考えを守り他者に流されずに生きる力が生まれます。ここでいう「角」とは、自分自身が持っている信念やゆずれない軸です。

仕事をしていると周りに流されているなと感じる場面も多くあると思います。そんなときに、自分の「角」はなんだろう?と思い返し、円満な人格と適度な自己主張のバランスを見つめてみましょう。

「智、情、意(知恵、感情・情愛、意志)」(第3章 常識と習慣)

引用:渋沢栄一. 現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書) (p.52). 筑摩書房.

この言葉は、人格の三つの重要な側面を表した言葉です。智は知恵、情は感情・情愛、意は意志を表しています。

この三つの要素「智、情、意」は、古代から現代に至るまで多くの哲学や心理学において、人格形成の基本的な構成要素として考えられてきました。

西洋哲学では、プラトンやアリストテレスも人間の魂の三部分(理性、気概、欲望)に言及しており、東洋でも同様に人間の内面の三つの側面を重視する考え方があります。

仕事でキャリアを重ねるときに、3つ全てをバランスよく育てることは難しいです。ときどき、自分を見つめ直して自分の知恵、感情、意志の各側面がバランスよく備わっているかを確認してみましょう。

まとめ

今回は、『論語と算盤』のなかでも、キャリア形成や仕事においてのマインド面で役立つ言葉に絞って9個ピックアップしました。

他にも、『論語と算盤』には人生に役立つ考え方がたくさん詰まっています。

もし今までとっつきにくくて読んでいなかった…と言う方は、今回を機に手にとってみてください。

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