- 職場でのコミュニケーションをもっとより良くできないかな?
- 自己開示が苦手でうまく関係性を築けないな…
- 自己開示にコツってあるのかな?
相手とのコミュニケーションで有効な手段の一つに「自己開示」があります。自己開示をすることで自分の情報を相手に伝えることで、相手の緊張感を和らげ関係性をよりよくしてくれます。
ですが、いきなり自分のことを話すと言っても、難しく感じてしまうこともありますよね。今回の記事では、自己開示をする際のちょっとしたコツやおすすめの話題を紹介していきます。
自己開示でうまくコミュニケーションを取りたい!と思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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自己開示のメリット
自己開示とは、相手に対して自分の情報を伝えることをいいます。自分の話をすることに抵抗がある方もいるかもしれませんが、自己開示は相手とコミュニケーションをとる際に有効な”潤滑油”になってくれます。
自分のことを知ってもらうことで信頼を得られる
初対面の場合、目の前にいる人がどんな人なのかよくわからないことが多いですよね。そのため、どうしても警戒心を抱いてしまいがちです。
しかし、そんなときこそ積極的に自己開示することで、相手に自分を知ってもらい、警戒心を和らげることができます。
基本的に自己開示は、信頼している相手に対して行うもの。自分から積極的に自己開示をすることで、「私はあなたを信頼しています」というメッセージを伝えることができます。その気持ちは相手にも伝わり、自然と信頼関係の構築に繋がっていきます。
返報性の法則
自己開示には返報性の法則がよく用いられます。
自己開示における返報性の法則とは、相手が自分の情報を打ち明けてくれたら、自分も自分の情報を提供したくなる心理のことです。
そのため、相手のことをよく知りたいと思ったら、まず自分の情報を伝えた上で、相手にも質問してみましょう。相手は自然と返報性の法則を感じ、自分のことを話そうと心を開いてくれます。
心理的安全性の向上
自己開示を積極的に行うことで、相手との心理的安全性が向上します。心理的安全性とは、チーム内で自分の意見やアイデア、感情を自由に表現できる環境のことです。この概念は、アメリカの心理学者エイミー・エドモンドソン(Amy Edmondson)によって提唱されました。
心理的安全性が高い関係性とは、自分の本音を包み隠さず言える関係を指します。自己開示をすることで、相手は自分の内面を理解しやすくなり、親近感や信頼感を抱きやすくなります。その結果、相手も自分も本音を言いやすくなり、心理的安全性が高まっていきます。
自己開示が苦手な人でもできるようになるコツ
自己開示にメリットがあると言っても、話が苦手な人にとっては自分の話をすること自体難しく感じてしまいますよね。そういった方におすすめな自己開示のコツを5つ紹介していきます。自分が取り入れやすい方法でぜひ実践してみてください。
事前に、自分が話せる話題を作っておく
もし突発的に自分の話をするのが難しいと感じるなら、事前に話せそうな話題を準備してみましょう。
例えば、以下のような話題を用意しておくと、話す場面が出てきたときにスムーズに話せます。
- 日々何をしているのが好きか
- どういうものに興味を感じるか
- 最近起きた面白い出来事
これらの話題をあらかじめ考えておくことで、自己開示がしやすくなります。
質問のなかに自己開示を入れる
自己開示をしようと思っても、いきなり自分の話を始めるのは難しいですよね。そんなときは、相手に質問をしながら、自分の情報をさりげなく入れてみましょう。
例えば、「週末は映画をよく見るんですが、〇〇さんは週末何をされていますか?」というように、自分の好きなことを質問の中に入れ込むと話しやすくなります。この方法なら、自然な流れで自己開示ができ、相手も自分のことを話しやすくなります。
軽いやりとりの中に一言だけ自己開示を入れる
例えば、よくある天気の話からスタートしたとしても、「今日みたいに晴れた日は、運動がてらよく散歩したりするんですよ」といった具合に、自分の近況や好きなことを少し加えることで、自己開示ができます。相手も共感しやすくなり、さらに話題が広がるきっかけになります。
自己開示が苦手な人でも、このようにちょっとずつ自己開示を実施し小さな成功体験を積み重ねることで、自信を持って自分のことを話せるようになります。
参考文献:武器になる話し方
GOOD&NEW
話のネタのバリエーションとして、24時間以内に起きた新しい出来事やよかったと感じたことを話してみましょう。
新しいことは新鮮味があり、自分自身も話しやすく相手も興味を持ちやすいトピックです。また、よかったことはポジティブな話題であり、自身の価値観や感性を伝える良い機会にもなります。
相手も話題に対して興味を持ちやすく、共感しやすい話題です。自分が話している間に、相手も日常を振り返り、「そういえば私も…」と話してくれるかもしれません。
日常の小さな喜びや発見を共有することで、お互いの距離感が縮まり、より親密な関係を築くことができます。
参考文献:ユーモアは最強の武器である―スタンフォード大学ビジネススクール人気講義
段階的に自己開示する
自己開示が苦手な人は、どの程度まで自分のことを話せばいいのかわからない人も多いのでは?自己開示には、どの程度の深さまで話せばいいかの基準となる尺度があり、日本パーソナリティ心理学会が公表しています。
話すのが苦手な人であれば、レベル1〜3を状況に応じて自己開示してみましょう。レベルごとに適切に使い分けることで、相手との信頼関係を効果的に築くことができます。最初は簡単な話題から始め、徐々に深い内容に進んでいくことで、お互いに安心してコミュニケーションを取ることができるようになるでしょう。
レベル1 好きなこと
まずは自分の好きなことや趣味など、ポジティブな情報を伝えましょう。自己開示が苦手でも自分の好きなことなら、積極的な話もしやすい話題です。また、自分のことをよく知ってもらえるので、相手の警戒心を和らげるためにも良いステップです。
ただしあまりに話しすぎると相手も疲れてしまうので、簡単に自分のことを相手に話した後、「●●さんはどうですか?」と質問してみましょう。
例: 「私は週末に映画を見るのが大好きです。おうちで見るのもいいですが、映画館に出向いて鑑賞するのも大好きです。特にアニメ映画には目がありません。」
レベル2 大変だったこと
少し打ち解けてきたな、と思ってきた段階でレベル2の自己開示をしてみましょう。
レベル2では、過去に経験した大変だった出来事について話します。過去の経験は、自分自身にしかないものなのでオリジナリティがあり、質問し合うことで広がりやすい話題でもあります。また、自身の価値観を伝えられたり、失敗談を話すことで人間味も伝えられるので、自分自身の特徴を伝えるといった観点では、非常に有効な話題と言えるでしょう。
例: 「以前の仕事では、締め切りが厳しくてとてもプレッシャーを感じていたんです。どうやって乗り越えようかと毎日悩んでいましたが、周りに支えられてなんとか乗り越えることができました。」
レベル3 ちょっとした欠点や弱点
さらに深い自己開示として、自分のちょっとした欠点や弱点について話してみましょう。これにより、相手に対してさらに深い自分の人間性を表すことができ、親近感を抱いてもらえます。人によっては、弱点だと思っていた部分を長所だと受け取ってもらえるかもしれません。
注意点として、まだこのレベル3段階では相手に知られも問題がないような「決定打ではない」欠点や弱点を伝えましょう。
例: 「実は、平日は仕事を頑張りすぎて、休日は寝て終わることが多いんです。座ってばかりなので運動を取り入れなきゃと思いつつも、朝起きたらだらだらしてしまうんですよね。
レベル4 コンプレックスに思っていること
最も深い自己開示のレベルは、自分が決定的にかけていると感じていたり、コンプレックスに思っている部分についての話題です。
これは非常に個人的でデリケートな話題であるため、信頼関係が十分に築かれていない相手に対して話すと、不利な状況に陥ることがあります。そのため、コンプレックスに関する自己開示は、相手との関係性や信頼度をよく考えた上で行うことが大切です。
しかし、相手をしっかり見極めた上でレベル4の自己開示を行うことで、相手に自分の弱さや本音が伝わり、より強い信頼関係を築くことができます。
そのため、このレベル4の自己開示は、より相手と深い関係性を築きたいと思った相手に実践してみましょう。例えば、信頼している上司や同僚、恋人関係になりたいと思っている相手に有効です。
例: 「長い間無職の期間があったんですけど、そのときに自分の価値ってなんなんだろう?と考え込んでしまった時期があるんです。その経験が今でも心の中に残っていて、新しい仕事を始めるときに不安を感じることがあります。」
まとめ
自己開示を上手に取り入れることによって、相手との関係性がさらに深まります。今回ご紹介したちょっとしたコツを取り入れて、日々のコミュニケーションにぜひ役立ててみてください。