- 新しいことが好きだけど、いざ挑戦してみると傷つきやすい…
- 仕事で難しい業務にチャレンジしようと自ら決めたのに、細かい点が気になり周りのプレッシャーも感じて自分自身を苦しめてしまう…
このように矛盾した性格に悩みがある人は、「HSS型HSP」かもしれません。
刺激を求めるのに傷つきやすい傾向があり、一見すると矛盾しているので、周りも自分自身も理解しづらい性格です。
今回は、HSS型HSPの特徴と対処法をそれぞれ解説。自分の性格に矛盾を感じている人は、ぜひ今回の記事を参考に自分自身を見つめ直してみてくださいね。
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HSPとは?
HSPとは、Highly Sensitive Personの頭文字をとった略語で、アメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン氏が提唱した概念です。
生まれつき扁桃体を中心とした、神経回路の反応が高まりやすいことが特徴。
細かいところに過敏に反応してしまうので、ストレスを受けやすいとされています。
これはあくまでも先天的な「性質」であり、病気や疾患ではないことが大きなポイントです。割合でいうと5人に1人と言われるほど、極端に少数派ではない人たちが持っている性質です。
HSS型HSPとは?
HSPは内向的で感覚が鋭く敏感な特徴がありますが、このHSPの中には『HSS型』が存在します。
HSSとはHigh Sensation Seeking(刺激探求型)の略語で、外交的で刺激を求める性質がある人を指します。つまり、「内向的でとても敏感で傷つきやすいのに、刺激を求めて外交的でもある」という性格です。
一見すると相反している性格が共存している状態なので、本人はそのギャップに疲れたり不安定になることもあり、周りにも理解されづらい性質です。
HSS型HSPが苦しむポイント
HSS型HSPは、HSS的な刺激を求める「アクセル」と、HSP的な慎重で内向的な「ブレーキ」を併せ持っていて、「アクセル」と「ブレーキ」を同時に踏んでいるような例えがよく使われます。
こういった点からストレスが溜まりやすく燃え尽き症候群になってしまうこともあります。
HSS型HSPの人が気持ちをラクにする対処法
常に矛盾を感じながら生きているHSS型HSP。気持ちの矛盾に葛藤して、生きづらさを感じている人も少なくはありません。ここでは、少しでも気持ちがラクになる考え方を3つ紹介します。
自分の感性をそのまま受け入れる
「感覚に敏感なのに刺激を求める」という特徴は、一見すると矛盾しているので、自分の感性がおかしいと責めてしまうこともあります。
しかし、これもHSS型HSPの特徴であり、個性です。
間違っているのではなく、一つの特徴であると自分自身を認めて、受け入れてみましょう。
すぐには難しい方には、「自分が何を感じたか?」をアウトプットすることがおすすめ。
その場で書き留めても良いですし、日記で記録していくのも良いでしょう。
客観的に眺めることで、自分の考えの傾向がとらえられることができ、「感覚に敏感なのに刺激を求める」という矛盾している感性を受け入れやすくなります。
人間の性格は矛盾している「二律背反」説を理解する
心理学の世界には、人間は矛盾したものをもつ「二律背反」という考え方があります。
世界三大心理学者のひとりC・G・ユング氏が提唱した心理学の概念で、「相互に矛盾するふたつの要素が、矛盾しているからこそ、成立する」という考え方です。
例にはよく「朝」と「夜」が使われます。
もしこの世に太陽がなく、ずっと暗闇の「夜」だけだったら、「朝」という概念は存在せず、思い浮かびもしません。つまり、「朝」があるからこそ、「夜」が存在し、「夜」があるからこそ「朝」もあるという概念です。
HSS型HSPに当てはめると、「内向的で傷つきやすい」と「刺激を求め外交的である」性格のどちらも本来の性格であり、ふたつが共存しているからこそ「私という性格」は成り立っています。
どちらも自分自身をあらわす大切な感性だと思ったら、自分自身を認めやすくなるのではないでしょうか。
HSPの対処法を心がける
HSS型HSPであっても、本来はHSPであるため、HSP的対処法を心がけると良いとされています。
感性が豊かなので、人と会うとたくさんの刺激を受け疲れやすくなります。
そのため、人と会っている時にしんどさを感じたら、思い切って物理的に距離を空けてみることもおすすめ。正面ではなく、横や斜めに座ることでも負担が軽減されます。
また、HSPは五感の感性が鋭いため、音が大きかったり視界に情報が溢れていると疲れを感じやすくなります。なので、あえて全ての情報を意図的に遮断する意識を心がけることも大切です。
深く思考することを得意とするので、1人の時間を大切にし、思う存分考えを巡らせることもヒーリングにつながります。休日は何もしないで、ただ考え事をするだけの1日を作るのもいいかもしれません。
まとめ
いままで矛盾した性格に、思い悩んでいた人も多いのではないでしょうか?
HSS型HSPというとても個性的で素晴らしい感性を正しく理解し、自分を受け入れて感受性の豊かさをぜひ楽しめるように工夫してみてくださいね。
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